近くて遠い、我らがBONSAI
初夏の香りがし始める近頃、外では木々が、草花が、すくすくと育っています。
花粉症の私には辛い季節です。
外に出ては目を真っ赤にして帰り、追い打ちをかけるように、連続するくしゃみ。
そんなリスクを負いながらも、散歩には出たいもの。ティッシュを片手に歩いていると、興味深い展示を発見しました。
★こんなところで、こんな展示
それは、盆栽展。
ここは、ポーランドという国です。
日本から遠く離れた国で、盆栽展。
おぉ、と思いますよね。ちょっと嬉しくなります。
惹かれるがままに、行ってみました。会場は、小奇麗な平屋建ての建物の、多目的ホール。
壁はガラス張りで、床、机、共に明るい灰色。落ち着いた印象の場所です。
そのホール内に、50個ほどの盆栽が、美しく並んでいました。
高さ30cmほどの小さな木々ですが、なんとも可憐に葉を広げているもの、見事に紅色の花を咲かせているつつじの木、
なんだか今にも動きだすかのように、くねくね曲がった松の木など、
木の名前だけではなく、それぞれの「作品」が各々の言葉を持ち、
活き活きと語りかけてくるかのようでした。
会場は、街の中心から少し離れた地点にありましたが、多くの人が来場し、盆栽と向き合っては「きれいね」「うちにも欲しいなぁ」など、思い思いに話し合っていました。
★盆栽はおじさんの趣味?
みなさんご存知のように、盆栽の手入れは、水やりのみならず、
定期的なカット、日光との兼ね合いなど、時間も根気も要するものですが、
それでも、それだからこそ、彼らは美しいのです。
遠く離れた国でも展示が開かれるほどの、芸術。植物という存在と対話をしながら創り上げる、古くてちょっと新しい芸術。
日本人の私達が生んだものですが、今日の私達には、ちょっと遠い存在ですね。
しかし、そんな盆栽の存在を近いものにしてくれる場所が、東京にあるのです。
★モダンな盆栽のお店「品品」
「品品」(しなじな)
http://www.sinajina.com/
東京都世田谷区にある、モダンな盆栽のお店です。
閑静な住宅街の中にひっそり、白い建物、たくさんの緑。印象的な場所です。
ハリネズミやひつじなどの、かわいらしい植木鉢に入った盆栽、しっとりと佇む、小さな美しい盆栽の数々。
見ているだけで、幸せな気分になれます。
★植物という存在
ペットとは違って、表情を見ることもできなければ抱きしめることもできない 植物という存在ですが、
愛情を注いで育て、共通の時間を過ごせば通じ合うものは必ずあります。
手のかかる盆栽なら、より一層、愛着がわくことでしょう。
遠い国でも、人々を惹きつける、芸術。
身近なものに、してみませんか?